第一吹上トンネル
第二吹上トンネル
ふきあげ 旧国鉄宮原線
大分県玖珠郡九重町
延長 119.4m  
幅員 - m  
竣工 1937年  
旧国鉄宮原線の廃線トンネルで,廃止後は閉鎖されて倉庫に使われていた模様だが,現在廃線敷地を再利用した国道387号の町田バイパス工事が進んでおり,このトンネル区間には新たにトンネルが建設されるものと思われ,風前の灯である。
引治トンネルに旧隧道があったかも知れないとの情報で,チョメさんやてっくさんらと合同探索時,地元の方に引治トンネルについての聞き取りを行ったところ,「引治トンネルは狭い旧隧道を拡幅したもので旧隧道は残っていない」との情報とともに,「宮原線がそこ(工事現場)を通っていて国道にするということで整備している。その奥にもトンネルがある。」との情報を得ることが出来た。
これは行ってみるべきとの全会一致で工事現場の奥に向かった。ちょうど工事が休みの日であったのは幸いだった。

たしかに,工事中の道路は谷を詰めて山へと向かっており,切り通しで抜けられるような地形ではない。そして,その谷の突き当たり近くには残土が積み上げられている。
道路脇には掘り出されたものと思われる古いレールや穴の開いたのドレーンパイプが少しだけ積んであったりした。
粘土質で歩きづらい土の山を越えると石垣にはさまれた狭い切通の奥にコンクリートポータルをもつ馬蹄型の隧道が見える。石垣はトンネルの入り口付近を残して撤去が進んでおり,掘り出された石が傍らに積んである。

廃止後の状況については,しろさんの廃線隧道のホームページに写真があるのでご覧いただきたい。鉄扉で閉鎖されていたようだ。
ポータルは斜めに切られている特殊な形である。

延長は,119.4mでこの区間が開通した1937年より少し前の竣工と思われる。
内部にはバラストも残り,馬蹄形の形といい,天井の高さといい,人間用の待避所といい,いかにもな鉄道トンネルである。

建設時期が昭和に入ってからのため,普通のコンクリートトンネルではあるけれども。
トンネルを抜けるとさらに200mほど先に小さな第二トンネルが見えてくる。その間は湧水もありじめじめした区間になっている。また,キロポストも残っている。こういったものは県にお願いしたらもらえたりするものなのだろうか。保管場所もないけど。

第二トンネルはフェンスで閉鎖されていて,内部から水が流れ出している。側溝が壊れて水があふれているようだ。国道バイパスの建設が進むとこちらのトンネルは切通しとなってしまう程度の土かぶりと延長しかない。

調べたところ,国道バイパス建設工事では現時点でトンネル部分が発注された形跡は見られないので,来年度の発注と仮定すればもう半年くらいは現在の姿が拝めるだろうが,その後は工事により徹底的破壊というか,改修されることとなるだろう。
位置  
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