谷坂隧道 たにさか 一般県道郷野湖北線
滋賀県長浜市(浅井町)
延長 300.0m  
幅員 4.80m  
竣工 1935年  
この谷坂隧道は神社の参道をそのまま伸ばした位置にあるトンネルで,西側からは峠道を登った先にあるが,東側は谷のふちに当たる。滋賀県北部に残る昭和初年竣工の隧道だ。

周辺には,同時期に作られた隧道がいくつも残っている。
そのなかには煉瓦隧道もある中でこの谷坂隧道はコンクリートブロック巻きの隧道である。

しかし。

雖混凝土隧道君莫侮。この隧道の見所は見事に美しくデザインされたポータルである。
半円柱のピラスター,細かなデインティル,壁板が重なるかのように下に向けて流れる面壁。それをコンクリートで作ってあるのだから,見事としか言いようがない。
また,ポータルの大きさやデザインのバランスなども秀逸としか言いようがない。
コンクリート打設技術は現在のほうが進んでいるのであろうが,いくら費用をかけたとしても同じものは再現できないのではなかろうかとさえ思う。

設計したのは,村田鶴という人物で,滋賀県の土木技師であった人だという。湖北に残る多くの旧隧道を設計した滋賀県の土木史を語るに欠かせない人物だ。
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位置  
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