野田隧道 のだ 旧 県道別府山香線
大分県別府市
延長 64.0m  
幅員 6.00m  
竣工  1968年  
別府八湯のひとつ鉄輪温泉から柴石温泉や血の池地獄などがある谷筋へ下っていく途中には、一本の細長い尾根が邪魔をしていて現在も野田トンネルがそれをくぐって通じている。

その野田トンネルの柴石温泉側の脇から尾根の先に向けて明らかな旧道が伸びている。(チェーンで封鎖済み)
路盤はもともと2車線がとれてもおかしくないほどの広さを持っているが、山から猛烈な勢いで植物の侵食を受けて着ており、ここが道路であったという痕跡は、なぜか残っているダブルトラックと錆びたガードレールのみである。
そんな旧道もわずか200m。旧道は尾根の側へ直角に近い角度で進路を変え、そしてもちろん尾根の斜面には大きな廃隧道の坑門が待ち構えている。

廃道敷きはまだまっすぐ尾根沿いに伸びているけれどもおそらくは、トンネルの旧旧道ではなく、尾根の先端方面から川沿いへ向かって下っていくのだろう。
思ったより立派な新しいトンネルで扁額も左書きである。なんといっても昭和43年竣工というからまだ40年しか経っていない。

しかも、新トンネルも昭和52年竣工というからそれが本当ならわずか10年ほどの寿命だったことになる。が、さすがにそんなことはないはずで昭和22年発行の五万分の一地形図にもちゃんと載っている。
ということで、昭和43年というのはおそらくは改修年であろう。たしかにイメージ的にもちょうどそんな具合の古さに思える。
坑口内部には、切り払われた竹が詰め込まれていて登って中をのぞくことすらかなわない。それでも,反対側の光だけは確認できたので貫通していることは間違いなさそうだ。

そんなこんなしているうちに、急に大粒の雨が降り出した。トンネルの前にいるのだからトンネルの中に入って雨宿りできればよさそうなものだが、ここではそうも行かずトンネル前の木の陰で雨をやり過ごすこととした。幸いなことに複数の大きな広葉樹が廃道の両側から枝を併せていてその下ではほとんど濡れることがなかった。
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