善明迫隧道 ぜんみょうさく 町道
福島県南相馬市(小高町)
延長 38.0m  
幅員 4.30m
竣工  1905年
福島県の南相馬市(旧小高町)に明治38年竣工の「善明迫隧道」というものがあるということで行ってみました。

これも地図上では見つけられず、「南相馬市小高区行津善明迫」という地名と地形図を見比べて現国道6号の脇あたりに残っているかもしれないと推測。
国道6号に沿う旧道らしき道を辿っていくと、その旧道が国道6号を斜めに横断した先に怪しげな地点が見えた。

但し、すでに道路としての用途は廃止されているようで、トレーラーで地元農産品などを売っているスペースになっている。
物産販売所の方に「この奥は旧道ですか?」と尋ねると、もと町道だったが危ないので廃止して通行止めになっているとのこと。

国道6号の旧道ではないそうである。そして、谷の奥を覗き込んでみると、隧道!
ひと言了解を得て、谷の奥へ向かうとすぐに大きな矩形断面の坑口へたどり着く。普通車どころか大型でもすれ違えるのではないかというほど幅員が広い。目測ではあるが3間幅はありそうだ。
路盤も含めて四方が岩で囲まれており、坑口部分には大きな落石もあったり内部にも板状に剥離した岩が多数落ちてはいるが、これまで経験した矩形断面の隧道はほとんど凝灰岩質のものだっただけに新鮮である。
国道6号の反対側は坑口から数十メートルで営業しているのかどうかわからないようなさびれたラブホテルになっており立ち入りは出来なかった。

小高町史にはこの隧道についての記述は特に見受けられなかったため、明治の姿をそのまま残しているのか改修されたものなのかは不明である。


しかし、昭和45年頃に小木迫及びで陸上自衛隊の力を借りて「隧道を開鑿」という記述があった。

町史の写真(黒つぶれしてわかりにくいが)に隧道らしきものが写っていない事や現在の地図を見る限り「開鑿」=「開削」ではないかと思われるのだが、そうであれば小高町内には同様の隧道が他にもあったということになる。

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