丸塚隧道 1 まるづか 九重町道
大分県玖珠郡九重町
延長 151.0m  
幅員 4.20m  
竣工  1892年  
玖珠郡九重町の名勝龍門滝の上流にこの奥にある日出生台演習場へ通じていたという明治の古隧道が残っている。

龍門の滝の脇に新しい隧道が建設されるまではメインルートであったように描かれているこのトンネルは台帳上は町道扱いであるが,ガードレールでかちりと全面通行止め措置がとられている。

瑞巌寺隧道のことを詳しく教えてくださった(写真を見せていただいた)方によると,瑞巌寺とは地質が違って崩れやすいトンネルだという。通り抜けはできないかもとも。

たしかに,現地に赴いてみるとチョメさんが入るのをためらったというだけのことはある。崩れかけている。というよりも隧道の形を成していない。大石峠とかチギリメン,浜ノ上などの崩落の激しい隧道に侵入してきたわれわれでも,ビビリの入るような形相である。うねっているのである。



地質的には,凝灰岩ではなく水成岩(岩ではなく礫混じりの砂層というべきだろうか。)地層がきれいに現れている。流れからして川底にでも堆積した層なのだろうか。

そこに,大小の礫が混じっている。しかも,天井からにょきにょきと人頭大から一斗缶くらいの岩が生えている。もちろん,床面にも落っこちた岩がごろごろしている。


さらに,天井や側壁から崩れてきた堆積物が路床に深く降り積もっていて,当初の路盤より1m以上上昇している。まさに,大石峠隧道のミニバンだ。とりあえずは,やばそうな石の下を「なるだけ」避けるように進んでいく。

大規模な崩壊なら前兆がありそうに思うが,こいつら(天井の石)が落ちてくるときは音もなく天井を離れ,スボッと!と床に突き刺さって逝ってしまわれるのだろう。そんなときに真下には居たくないものだ。

そう,いってみれば怪獣の口の中。臼歯ですりつぶされそうな感覚だ。
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位置  
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