宇比多岐トンネル うひたき 一般国道184号
島根県出雲市
延長 70.0m  
幅員 8.25m  
竣工 1983年  
今では,峠のてっぺんにある矩形のトンネルであるが,かつて,このルートは昭和40年まで一畑電鉄立久恵線が走っていた。
もちろんこんな急坂(10%)を鉄道が登ろうとするはずもなく,桜トンネル(L=240m)と言う名のトンネルで峠を潜っていた。

ただし,このトンネル山の質が悪かったようで,「湧き水によってドロドロに溶け出して崩落し,乾燥すると岩石のように硬くなるという独特な性質に悩まされ,坑口の崩落が続き開業直前までかかる難工事であった」(祖田定一:神々の里に消えた鉄道 から引用)そうである。
その後,県によってトンネルの拡幅工事を試みられたようだが,土質の悪さから出水や崩落が続き,死亡事故なども発生したそうだ。

そのため,拡張をあきらめてトンネルは埋め戻し,法面の安定を図った後に,上部にコンクリートのボックスで宇比多岐トンネルが建設されて,両側からの土圧を支えている。そのため開通が予定より数年遅れたそうである。
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位置  
高速自動車国道 一般国道 都道府県道 市町村道その他 廃隧道 建設中